本ソムリエって?
「今の気持ち」から本を探すお手伝いができたら嬉しいなと思っています。
モモ / ミヒャエル・エンデ
この本はね、殿堂入りしました。きっとこの先何回も読み返したくなるであろう本。
友達から、絶対好きだよ!って言われていて、同じタイミングで中田敦彦さんのYouTube大学でも取り上げられていて読もうってなったの。なんか本とかなんでもそうだけど、多く見かけることが重なって「今か!」みたいなときない?笑
あっちゃんのYouTube見てもいいし、でもこれはYouTube見た後でもいいからぜひ本で堪能するのを強くおすすめする。文章が美しくて、久しぶりに一文一文噛み締めながら読んだ。
児童文学なんだけど、大人に沁みる本。大人になって働き始めてそしてふと「あれ、なんでこんなに忙しく働いてるんだっけ?」って思ったことがある人には全員読んでほしい。笑
「忙しい」は悪なのか?
忙しいことって悪いことじゃないと思うのよ。「充実」とも言い換えられるし。でもたまに自分がいやーな感じの「忙しい魔人」になっていることに気がつくことがある。ネガティブな理由で忙しいを言い訳にしてしまったり、人への思いやりに使う時間を少し惜しいと思ってしまったり…
だって忙しいんだもん
例えば道端で、なにかしらの紙とかレシートみたいなのを落として気がつかない人がいるとするでしょ(財布とかじゃないのがポイント)そういうときに忙しい魔人になっていると、「落としましたよ」って声がかけられなかったりする。そんなに支障なさそうだしまあいっかって。そして後からいやーな気持ちになる。
一体何のためにわたしはこんなに急いでいるんだ?
締め切りがあるから?クライアントが怒るから?会社の利益が損なわれるから?
それって何のためにやってるんだっけ?
なんのために働く?
手段がいつの間にか目的に変わってしまうということは、本当にびっくりするぐらいしょっちゅう起きていて、困ることランキング上位だと思うんだけど「働く」ということもそうなりがちだよね。
何かの目的があってみんな働いていると思うんだけど、いつのまにか「働く」ということ自体が目的になってしまう。しかもそこに「効率的に働く」みたいな形容詞までついてきたらもう大変。もう「働く」ために生きている感じになってしまうよね。それも一理あるんだろうけれども…
そしてたぶん強く認識しておかないといけないのは、どうやら今の社会はその考えを助長しやすい仕組みっぽいてこと。
資本主義社会。なんか社会の授業で言葉は知っていたけど、深く考えたことはなくて。でも、自分が生きている社会のルールを知らないって危なすぎるじゃん!って最近思って興味があるんだけど、モモを読んだ時もこの資本主義社会について考えさせられるところがあったなあ。(児童文学だから直接触れてはいないよ笑)
私はどうする?
モモを読んで本当に考えさせられたし、今も頭の片隅にはモモがいてたまに問いかけてくる。
おーい、それで大丈夫かー?(モモはそんな言葉遣いじゃないけど笑)
自分がどんな人生を送りたいのか、そのために大切にするべきことは何なのか、それを見失っていないか。
人はさ「はっ」って気がついても毎日の生活の中ですぐに忘れちゃう生き物だと思っているのだけど、モモがいることでたまにふと「あれ?」って振り返れるからとってもありがたい。
私は周りの大切な人を大切にできる自分であることが一番大事だと思っているし、たぶんそれが働く目的なんじゃないかなと今のところ思ってる。私の場合そのためには、自分自身が「お金・時間・気持ち」にある程度余裕があることが必要。その上で周りの人を大切にしたい。
だから、その自分になる以上にお金をたくさん稼ぐ必要もないし、逆に時間はあってもお金が全くないのももちろんダメだし、お金や時間があっても気持ちが苦しい仕事もダメだし。この指標があるとバランスが測りやすいから、今のバランス大丈夫かな?って考えやすい。
あとがき。
こんなサラサラ「私はこれ!」みたいに書いているけど、この考えにいきつくまでにめちゃくちゃうにょうにょした笑
うにょうにょ考えるきっかけをくれる本って本当に素敵だと思う。
毎日一生懸命に働いているみなさんにも、すこーしだけ立ち止まってモモを読んでみてほしい。
そこからまた走り出す人もいるし、ぐるぐる回る人もいるし、もう少し止まるかって人もいるかもしれない。
一緒にうにょうにょしましょう。
おわり。
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